サラエボで、ゴドーを待ちながら―― エッセイ集2 :写真・演劇・文学 (エッセイ集 2 写真・演劇・文学)
サラエボで、ゴドーを待ちながら―― エッセイ集2 :写真・演劇・文学 (エッセイ集 2 写真・演劇・文学)の感想
ソンタグが1993年戦時下のサラエボで演出した「ゴドーを待ちながら」。その体験を語る。また本書は多様で幅広い諸々のエッセイが扱われている。ポーランド系ユダヤ人移民の血をひくソンタグ。
最後の「翻訳されるということ」の章、政治的背景や歴史の中で「言語」に対峙するソンタグの真摯さを強く感じた。"私は翻訳される側なのだ――近代的な意味で、そして、ウィクリフの散種した、今はない意味でも。私は翻訳を監督しながら、私の言葉の死と転移を監督してしまっているのだ" 多様なエッセイ、どの頁にも記憶に残る「音」があった。
読了日:1月15日 著者:スーザン・ソンタグ