喪男嘆きの長文ポエム #9

9以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2022/04/27(水) 22:59:41.47 ID:2vKLhLBk

しかし夫の証言によるとカエセンニアは最良の妻だそうだがなぜか、だと?
花嫁持参金硬貨千枚をくれたからだ。この男はそれだけで貞淑だと言っている。
ウェヌスの矢筒のせいで?せたわけでも、ランプで焼かれているわけでもない。
硬貨千枚で愛のともしびが燃え、花嫁持参金から矢が飛んでいる。
自由が買われている。男に目くばせしても返事の手紙を書いても許される。

強欲な男に嫁いだ裕福な女は寡婦なのだ。

なぜセルトーリウスはビブラへの欲情で燃えあがっているのかだと?
仮にお前が真実を調べれば、妻でなく顔が愛されているのだ。
しわが三つ忍び寄り、肌が乾いてゆるみ、
歯が黒ずんで目が小さくなれば、この自由民は言うだろう。
「荷物をまとめて出ていけ。
もうお前は俺らにとって厄介者だ。お前はよく自分の鼻をぬぐっているな。
早く出ていけ。急げ。鼻の乾いた別の女が来る」

それまではぬくぬくと君臨し、夫に
羊飼いだのカノーサ羊だのファレルニアのブドウを絡ませるニレの木だの
――これだけならなんと些細なことか――
男の子全員だの収容所全部の奴隷だのを要求する。
家にないが隣人が持っているものは、なんでも買わなければいけない。
冬至の月、街の建物の壁に描かれた商人イアーソンがすでに封印され、
武装した船乗りたちの絵の前に白い仮設テントが建つころ、
大きなガラスの壺、次には没薬の香りの最高級ワイン、
その次にはベロニーケーの指に収まったことでその名が広まった
有名なダイアモンドが買いあげられる。
このダイアモンドは昔、野蛮人アグリッパが淫蕩な妹に与えたものだ。
あの国では王たちが土曜日の祭りを裸足で執りおこない、
いにしえからの慈悲により優しくされた豚たちが長生きしている。

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