喪男嘆きの長文ポエム #5

5以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2022/04/27(水) 22:53:01.95 ID:2vKLhLBk

元老院議員の妻エッピアが剣闘士団に付き従って
パロス市だかネイロス川だか名高い城壁に囲まれたラゴス市だかへ行ったことで、
カノープスはローマ市の行く末と現状を非難した。
その女は家と夫と妹を忘れ、
祖国を少しもかえりみず、泣いている子供と
――さらに驚くべきことに――祭りとパリ市を不徳にも捨てた。
幼いときは巨万の富と父親のうぶ毛と、
豪奢なゆりかごの中で寝ていたのに、
この女は海を軽視した。しかしその前から名声を軽視してきたのだ。
名声を失うことは、柔らかな椅子に座る高貴な女たちにとって大した損失ではない。
だからテュッレーニア海の波、広く音を立てるイーオーニア海、
越えるべき海がいくつあっても
すべてを不動の心で耐えきった。
正当で立派な種類の危険があれば、女というのは普通心が怯えて凍りつき、
足裏が震えて立っていられない。
しかし何かに醜く挑むときには強い精神を見せる。

仮に夫が命じることならば、船に乗るのはつらいものだ。
そういうときは船底の汚水が悩ましい。そういうときは天の風が吹きまわる。
しかし間男についていくときは腹がすっきりしている。
前者の女は夫の上にゲロを吐くが、後者の女は船乗りたちに混じって朝食を食い、
船じゅうを歩きまわり、固いロープを喜んで引く。

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