喪男嘆きの長文ポエム #13

13以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2022/04/27(水) 23:08:30.27 ID:2vKLhLBk

「奴隷を磔にしろ」と女は言う。

「その奴隷は何の罪によって罰を受けねばならなくなった?
証人として誰が存在する? 誰が訴えた?
聞け、人を殺すのをためらう時間が、長いということは決してない」

「ボケ、本当に奴隷が人間だと?
あいつは何もしていないかもしれないと?
それがどうした。私がこれを望んでいる。私がこう命じている。
私の意志を理由とすればよい」

このようにして夫に命じる。しかしその女はすぐにその王権を捨て、
家を取り換え、ウェディングベールを擦り切れるまで使う。
そしてまたそこから飛びだして、かつて侮蔑したベッドへの足跡をたどり、
少し前に飾り付けられたばかりのドア、吊られたままの家の垂れ幕、
それにまだ緑色をしている敷居の枝から去る。

こうして数は増えていき、こうして五つの秋が過ぎる間に八人が夫になる。
墓の碑文に刻むべき事項だ。

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