【台風一家】Cardwirth(カードワース)【ビホ一家】 ID:tCnemacI

VIP宿名アンケートの集計も終わったようなので、リプレイ投下します

前回のリプレイ（Jeune fille）のログはこちら
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/55867/1478166220/

冒険するのは、いつものこいつら
http://wikiwiki.jp/vipwirthyado/?%B9%F5%C5%B4%A4%CE%C9%F7%BB%C2%A4%EA%B1%A9%BA%AC


前回は古いシナリオだったので、今回は新しい方のシナリオをリプレイ化しようかと
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テーブルの上で差し向かい、ボードゲームに興じる二人……とジャッジを務めるもう一人
『黒鉄の風斬り羽根』の、知力が良適性な面々である。知将型のザイウスは兎も角
アレクシオスは標準型で、ヴィーヴィは万能型だったりするけど
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アレクシオス「ちっ、指先が使えないゲームだと、手掛かりの無い読み合いが多くていかんな」
ザイウス「君は案外と＿猪突猛進で、待たないタイプの策士ですからねぇ。イカサマはどうかと思いますが」
ヴィーヴィ「ふっふっふ、このままあんたを叩きのめし、いつもの涼しげな顔を歪ませてくれるわっ！」
アレクシオス「ぬかせ、勝負はまだ始まったばかりだ！」
ザイウス「（これはどっちが勝っても、第二ラウンドに突入しそうですねぇ……）」
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アレクシオス「意外だな、将棋を知らないのか？　お前が休みによく観戦に行ってる
　　　　　　　　相撲（by ある日のゴブリンの洞窟）の国のゲームなんだけどな」
ウェイトレス「私の知ってる将棋とは、駒もルール自体もかけ離れてる気がするんだけど？」
ザイウス「それはもう『剣で居合い斬りを行うという無茶、しかし武術として一つの完成を見ている』
　　　　　　に代表される、四方から文化の流入する土地・交易都市リューンの洗礼を受けた後ですから」
ヴィーヴィ「リューンオリジナルの変なルールが、だいぶ混じってるのよね……
　　　　　　でも流石と言うべきか、ちゃんとゲームの形になってるから面白いわよ？」
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アレクシオス「若い頃の苦労は買ってでもしろ、と口にする奴が、若い頃本当に苦労していたなんて話は
　　　　　　　　未だかつて全く聞いた覚えが無いんだよな、そういうことさ……っとこれでどうだ！」
ヴィーヴィ「ちぃぃっ、流石にしぶといわね！」
アレクシオス「まあ割が良さそうか、佳人にコナかけられそうか、それこそ古代遺跡みたいな
　　　　　　　　どデカく一山当てられそうな話があったら、飛びつかないでもないから言ってみてくれ」
店主「お前らは、本当にまあ……」
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アレクシオス「聞いてたから言ってるんだよ。もし未調査の古代遺跡なんて魅力的な物件の
　　　　　　　　話が入ってたら、冒険者と名の付く猫や杓子は、もう出発した後に決まっているだろ」
ザイウス「もちろん私たちも、その猫や杓子の一員だったでしょうねぇハッハッハ」
ヴィーヴィ「冒険者の宿以外で遺跡の情報が入る場所というと、あとは遺跡調査委員会かしら？
　　　　　　でもあそこが出てくると、資料の保全云々うるさくて財宝を持ち帰れないのよね」
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アレクシオス「欲しいものを先に言ってしまうのは、あまり賢い手とは言えないな。ふっかけられるぞ？
　　　　　　　　もしくは価値があると判れば、金を持っている好事家に先に集められてしまうか」
ザイウス「そもそも、一つの宿に毎日通い詰めるのではなくて、幾つもの宿を周って
　　　　　　話が来たら自分に伝えるよう、チップを置いて帰るのが良さそうなんですがねぇ」
ヴィーヴィ「見た目が金目のものに見えないのなら、調査済みの遺跡に取り残されてるかも知れないし
　　　　　　　『残飯漁り』も悪くないかもね。あたしたちに頼むなら、相応の対価は必要になるけど」
アレクシオス「そういや以前、調査済みの遺跡の地図作ってたな（by 鉱床の遺跡）」
ヴィーヴィ「売れそうな相手なら、小銭稼ぎしようかなってね」
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ヴィーヴィ「生憎と、そこの悪党が盗賊ギルドと仲が悪いから、シティ・アドとは縁が無いのよね」
アレクシオス「その場で足踏みするのを『情報は足で稼ぐ』と言うとは恐れ入ったな、何処の田舎の方言だ？
　　　　　　　　まだ黙って座っている方が、肝心なときに疲れ果てていない分マシだね……よし王手！」
ヴィーヴィ「うぇっ！？　……まだだ、まだ終わらんよ！」
アレクシオス「それに俺たちが足で稼いで、遠出した先で仕事をすると、仲介料はゼロだからな？
　　　　　　　　精々良い仕事が勝手に舞い込んでくるよう、聖北の神にでも祈っててくれよ」
店主「こいつらは、本当にもう……」
ザイウス「ハッハッハ、それに運命論を信じるほどロマンチストではありませんが、噂をすれば影が差すもの
　　　　　　時には待つのも悪くない。例えばそう、長々とジャッジに付き合わされた私が飽きる頃……」
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かくして舞い込んだ依頼をこれ幸いと受け、一行は宿の親父の小言から逃れたのだった

アレクシオス「荒らされているのが畑や山なら、まあそんな所だろうな……まだ『人』は荒らされてない」
美濃牛「オーガー　ヤ　トロール　ナドノ　『ヒトクイ』　スル　オオモノ　デハナイ　トイウ　コトダナ」
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アレクシオス「と言うか巨大な災厄っていうのは、だいたい前兆無しで来るから被害がデカイんだ」
アプリコット「でも兄貴、あたしたちが今まで遭遇した『予想だにしない事態』の数って……」
アレクシオス「言うな、考えないようにしてるんだから」
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ザイウス「……一番近いのは、馬車の轍（わだち）ですかねぇ？　これを牽いているはずの巨馬の足跡が
　　　　　　見当たらないことを除けばですが。方向転換の跡の付き方に加え、二条の痕跡の間隔が
　　　　　　常に一定で、その掘り返しかた自体も獣や魔物のそれとは思えないほど規則的です
　　　　　　とは言え車輪を歯車状にする意味は、どうにも理解しかねますが」
ヴィーヴィ「歯車みたいな車輪付きの要塞じみた馬車を、ドラゴンが飛びながら牽くってメルヘンよね？」
アレクシオス「それでやってることが畑荒らしじゃ、大山鳴動して鼠一匹にも程があるだろう
　　　　　　　　情けなさ過ぎて涙も出んぞ、ドラゴンも御者も即日転職待ったなしだな」
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アレクシオス「……しかし本当に派手な跡だなこれは、追跡して根城を夜襲できないか？」
セレナ「縦横無尽に動き回っているようなので、それは少し難しいかも知れません」
ヴィーヴィ「存外にやる気みたいだけど、勝算とかあるの？」
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アレクシオス「戦闘用の馬車、要するに戦車（チャリオット）なら王道の対処法がある、御者を殺れば良い
　　　　　　　　それに場所も開けた平地じゃない、木々や岩など障害物も多い。勝機は十分あるさ」
セレナ「そして御者を叩き落とす、飛び技となると私の出番というわけですね（笑）」
ヴィーヴィ「と言っても、岩石を踏み砕くほどの重装でしょ？　素直に御者を狙わせてくれるような
　　　　　　ヤワな作りじゃなさそうだけど。鉄の幌で御者のカバーくらいしてそうじゃない？」
ザイウス「ですが依頼を放棄するにしても、正体を掴まないと言い訳が立たないのも確かですからねぇ」
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アレクシオス「さすがに、二度も見張りで眠りこけるほど鈍っちゃいないぞ（by 新月の魔女）」
ザイウス「まあ、あの轍の様子からすると、件の馬車は凄まじい騒音を立てつつ走るはずですから
　　　　　　寝ていても間違いなく跳ね起きると思いますが、轢かれても困りますからね」
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アレクシオス「しかし本当に何も起きないな、今夜はもう来ないってことか？」
ザイウス「そう言えば、毎日来るとは聞いていませんからねぇ。野生の獣は腹が減ってから動き出すもの
　　　　　　先日腹一杯食べた後なら、今日は塒（ねぐら）でゆっくり寝る日なのかも知れませんよ」
アレクシオス「もしそうなら、長丁場になるかも知れんわけか……明日は山狩りだな」
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そんなことを見張りの二人が雑談していると、明らかにクソ危険な雰囲気の地響きが……

アレクシオス「起きたか美濃、ついでに他の連中も起こしてくれ
　　　　　　　　……しかし男爵どのの予想通り、凄い地響きだなこれは」
ザイウス「この調子なら、放っておいても、みんな跳ね起きるとは思いますがね……
　　　　　　ああ頭は上げないで伏せててください、御者を仕留めるには初手が大事なので」
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ヴィーヴィ「……どこからどう見ても、戦車（チャリオット）じゃないんだけど、なにあの移動要塞」
アプリコット「あ、兄貴、ど、どうするのアレ……」
アレクシオス「仕掛けるぞ、準備しろ」
セレナ「シラフで言ってますか貴方、まさか飲んでませんよね！？」
アレクシオス「巨人（by ダイダラボッチの話）よりは小さい、フリーズ・デーモン（by 新月の魔女）よりも小さい
　　　　　　　　ならばあとは斬ろうと思って斬れるかだけの話だ……力比べと行こうか、なあ美濃？」
美濃牛「カイカブラレテモ　コマルガナ　マア　イイ　キカイダ　ホンキノ　ゼンリョクデ　タタイテ　ミヨウカ」
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かくして会戦

セレナ「だから嫌だったんですー！！」
アレクシオス「似非シスターが一瞬で吹っ飛んだだと！？　何なんだあの巫山戯た威力は！！
　　　　　　　　クソッ良いカードが来ない……よし来た『百識の瞳』、攻撃が効いてさえいるなら行ける！」
ザイウス「この贅沢に鋼鉄と燃える粉（火薬）を使っている感じ、機甲の兵士の洞窟を
　　　　　　思い出します（by 旧兵器の目覚め）。古代文明の産物なのは間違い無いでしょう！」
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露助の戦車だこれー！？　レベル10というのは珍しくない、むしろそこそこのレベルがあれば
十分力押しで勝てる、並程度の領域なのだが、スキルと付帯能力満載はヤバすぎる
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スキルが全て名無し＝何を選択しているか分からないのも、地味にいやらしい要素
回避運動が多いため、攻撃自体は思ったほど激しくないのが救いだが、長期戦化は免れない
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アレクシオス「やった！　一目盛り以上減ってる、これなら行けうおおおおおっ！？」
アプリコット「あ、兄貴ー！？」
ザイウス「ひえぇぇぇ、今のところ回復スキルを引けていますが、これが途切れたらどうなることかっ」
ヴィーヴィ「くっそー！　百識の瞳の暴露も稲光のデバフも、通ったと思った次の瞬間
　　　　　　ギミックで消されるっていうのは、やってられないわね！　これ押し切れるの！？」
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何だかんだ回避力自体は低いようで、スキルなら高確率で当たる、スキル攻勢が有効と判断し戦闘続行

ヴィーヴィ「消えたはずの稲光のデバフが、また戻ってる？　もしかしてこいつギミックで
　　　　　　二体が入れ替わってるってこと？　ちゃんと体力は共有で計算されてるんでしょうね！」
アレクシオス「知らん！　だがデバフが戻った今が安全タイムだ、押し込むぞ！」
セレナ「また私ですかー！！（チュドーン！）」
ザイウス「待っててください、今回復を……今度は私ー！？（チュドーン！）」
アレクシオス「頼むユークレース！（鉱精石（by 鉱床の遺跡））」
セレナ「ううう……もうギリギリのラインです、崩れたら一気に全滅ですよ……！」
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セレナ「起き攻めで機銃はやめろ、繰り返す、起き攻めで機銃はやめろ」
アプリコット「……向こうの残り体力が赤くなったよ！」
アレクシオス「ユークレース、今度は男爵どのだ、あと一押しぶん、何とか立て直してくれ！」
ザイウス「ここまで長期戦になろうとは、回復系の強力アイテムを持ち込むべきでしたねこれは！」
美濃牛「ヨイ　カードモ　キテイル　コノママ　タタキツブス！」
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そして運良く持ち直した一行の、最後の一押しを受け、ついに陸戦の王者はその機能を停止したのだった

アレクシオス「フ、は、ハハハハハハ！　ざまあみやがれ！　刀こそが、この世で最強の
　　　　　　　　殺傷力を持つ兵器だ！！　鋼鉄の棺桶ごとき、何するものぞって奴だーっ！！！」
セレナ「……勝ったと見るや元気になりましたね、私はこのままダウンしたい」
美濃牛「オレガ　アレダケ　ホンキデ　タタイテ　モチコタエル　モノガ
　　　　　アルトハナ……　ヤハリ　セカイハ　ヒロイ　モノダ」
アプリコット「ねえ、これって本当に何だったの？」
ヴィーヴィ「あいつの魔眼によると、兵士の魂が云々って話だから、死霊術絡みじゃない？」
ザイウス「武器に燃える粉（火薬）を使うこと、大量の鋼鉄を贅沢に使っていることから
　　　　　　ボディは古代文明の産物の可能性が高いかと。形状的には、破城槌に近い感じですねぇ
　　　　　　あれを物凄く便利に……高速で自走して城壁に接近し、敵兵も自力で排除可能と
　　　　　　盛りに盛った性能を求め、それを実現したら、あんな感じかも知れません」
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しかし鋼鉄の棺桶の残骸は、翌日の昼には亡霊のように消え去り、正体は分からずじまいだった

激闘２２ターン、再生したばかりの魔剣がたった１シナでここまで磨り減ったものの
近代戦車を鋼鉄の棺桶に変え、「ロシアの戦車（タンク）ですら不覚を取りかねん」ことを証明
（by グラップラー刃牙）したのであった、主に美濃牛あたりが
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こいつらは高レベルでの挑戦だったので、戦闘シナとして正面から挑みましたが
正規ルート（？）なら、表記通り３レベルからでもクリア可能な、マルチエンドシナリオです
そちらなら、より真相にも近づけますので、是非プレイしてみてください

と言ったところで今回はここまで、お付き合い頂きありがとうございました！