大阪府河内長野市で2011年3月までの約2年間に生活保護費約2億6600万円が使途不明になり、
40歳代の男性職員が業務上横領容疑で大阪府警に事情聴取された疑惑で、
職員が生活保護の担当課から同年4月に別の部署に異動する直前、元受給者の1個人に
一度で約5000万円を支給したとする会計処理をしていたことが、市への取材でわかった。
この支給について同月、別の職員が不審に思って上司に報告したが、上司は「エラー」として放置。
結果的に問題発覚を遅らせる形になり、市の管理体制が問われそうだ。
市によると、使途が不明な支出記録が09年1月~11年3月に1326回あり、
一部は庁内の現金自動預け払い機(ATM)から引き出されていたという。
問題の約5000万円はこのうちの1回で、電算システム上、職員の異動発令前日の
11年3月31日に支給されたことになっていた。
不明金については、大半が申請書がない一方、偽造されたとみられる領収書は残っていたが、
領収書に対応するシステム上の処理がなされていない分が約5000万円あった。
市は、急に異動が決まった職員が、それまでにシステム上の処理をしないまま、
複数回にわたって無断で引き出した同額分について、金額上のつじつまを合わせ、
発覚を逃れようとしたとみている。
不明金の発覚時期について、市は、12年8月のシステム変更時としていたが、
実際には、この約1年半前に、不審な多額支出が担当の生活福祉課内では把握されていたことになる。
「エラー」として放置した上司は「あり得ない額で、間違いと思った。認識が甘かった」と説明したという。
「1人に5千万支給」上司放置…生活保護費不明 (10/21 15:12 読売)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20131021-OYT1T00791.htm
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生活保護費2.6億円着服か=容疑で河内長野市職員聴取-大阪府警 (10/21 12:03 時事)
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2013102100310