ちょっとつづき
>>163
「……泣いてるの?」
「お前が玉ねぎ刻んでたから、目が」
「いや、おでまだ人参とジャガイモしか切ってない」
「……」
パ、包丁を置く。
「ごめんね」
と、パから、涙を浮かべているブを抱きしめる。
「もう、おでなんかに会ってくれないかと思った」
「……こっちの台詞。今までずっと側にいた奴が、急にいなくなって。俺をひとりにさせるなんて」
ブ、パにキスして言う。
「他の誰とも、組む気ないから。俺はお前のだし」
そのあと、再度ブから口づけする。
久しぶりの長いキス。パも泣いている。
「ね……カレー、つづき、作んなきゃ」
「……あとでいーから、もう少し、このまま……」
パを離さない。
ブの家の台所の片隅で、ずっとふたり抱き合っている。
終