有事に戦えぬ自衛隊を変えるには戦死者出すしか、と内部の声
http://news.infoseek.co.jp/article/postseven_307610
「今まさに国民が殺されようとしているのに、われわれは見ているだけで何もできない。これほど辛いことはない」
イスラム国に拘束された湯川遥菜さんと後藤健二さんの殺害が報じられた直後、30代前半の2等陸曹は唇を噛み締めこう呟いた。
「阪神大震災の災害派遣で献身的に任務を遂行する自衛官に憧れていたこともありますが、北朝鮮の不穏な動きや
対テロ戦争を目の当たりにし、いつか日本にも有事が迫るという危機感を持つようになったのです。われわれの世代から下は、
『いざというときに国民の楯になる』という強い意志と覚悟を持って自衛官になった者がとても多い。
ところが現状では、武力による国民の奪還すらできません。国民の生命が危機に晒されたとき、国家として自衛隊を
活用するというオプションは当然必要だと考えています」
こうした若手自衛隊員の“リアルな戦争”に対する意識の高まりは、韓国の反日暴走や中国の軍事挑発がエスカレートした
この10年間で一気に膨張し、陸・海・空全部隊に浸透したと言われている。
防衛省幹部は「あくまで現場レベルの話ではあるが」と前置きした上でこう語る。
「尖閣を巡る中国軍の執拗な挑発に業を煮やし、『やれるものならやってみろ』、『われわれのほうが錬度は上だ』といった声が
上がっているのは事実だ。“命令されればやる、やるなと言われればやらない”という組織としての高度な意識は徹底されている
ものの、『周辺国にここまで挑発されて沈黙を守る市ヶ谷(防衛省)を変えるには、戦死者を出す以外に方法はない』という過激な声もある」
その言葉通り、現場では“有事に戦えない”自衛隊に対する不満が燻っていた。
「市ヶ谷は20年の東京五輪を前に制服の一新を計画しているが、平和ボケとしか言いようがない。現場では必要な装備品や
人員が慢性的に不足している。日本を巡る安全保障が急激に悪化する中、自衛隊が現実に即した『実力集団』になるためにも、
ある種の“危機”が必要と考える隊員は少なくない。余暇を利用し、戦技・戦術を隊員同士で研究、訓練することは、もはや
一般部隊でも日常的光景だ」(20代の陸曹長)