吐き出せる とこが無いから 此所で吐く
吐き出せる とこが無いから 此所で吐く
昼どきは あたらしき顔の平らかな (山手)
道すがら 照り返される 日の光 (伊勢崎)
恋は失せ 戻らざる日々 空の色
路面まで 差し込む光 駅の跡 (東横)
みやこへの 峠みやこに 継ぎ足さる (上東)
五月雨を 二度も濡れさす 屋根古し (埼京)
八ッ山を 溢れださんと 車ゆく
立ちたれば 真中の失せぬ 車寄せ (東海道)
鷺沼へ かの日々を偲ぶ つかの間や (東横)
華うたげ 夢空間に ゆとり有り (山貨)
菜の花や 散りゆく頃に 日は西に (君津)
上野発つ 夕刊たちの カート牽き (宇高)
あの日から 始まる線路 和光市行 (F)
つけ火して 煙り喜ぶ 田舎者
送らるる 錆びた衣 眺むゆとり
鉄オタきもい