真実はこうだった。――先週末のパーティーで酒に酔い、宿泊施設に戻る途中だった4人は、ガソリンスタンドに立ち寄ると、トイレで器物破損行為に及び、壁に向かって小便をしたため、警備員によって拘束された。
32歳のロクテは19日、自身の発言内容について「もっと注意深く、誠実であるべきだった」と謝罪した。だが、すでに彼のイメージは完全に崩壊したもようで、インターネット上はロクテに対する辛辣(しんらつ)なコメントであふれている。
ロクテは今や「国家の恥」や「リアルピノキオ」であり、世界最大のスポーツ大会で夜遊びに興じた末に、飲み仲間に後処理を押し付けて自分だけ帰国し、最後にはその仲間に裏切られた、金持ちでハンサムだが、頭が弱く目立ちたがり屋のスポーツマンとなった。
米大衆紙ニューヨーク・ポスト(New York Post)は、「ライアン・ロクテは米国人が世界で嫌われるすべての理由を体現した人物になった」との見出しを付けた記事を掲載した。
米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)のコラムニスト、サリー・ジェンキンス(Sally Jenkins)氏は、世界で醜態をさらす米国人について、こう解説している。「気に障る米国人の『ブロ(bro)』というカテゴリーがある。Tシャツとジーンズに、高価なスエードの靴を履いたロクテはその代表だ。ロクテはあのパーティーの夜、ソーシャルメディア上で、自分の靴の値段をひけらかしていた」
米国の一個人がこれほどまで悪評を得たのは恐らく、昨年ジンバブエで人気ライオンの「セシル(Cecil)」を撃ち殺した狩猟愛好家で歯科医師のウォルター・パーマー(Walter Palmer)氏以来だろう。スポンサー各社がロクテとの契約を打ち切り始めるのは、時間の問題なのかもしれない。
あるツイッター(Twitter)ユーザーは、リオ五輪のプールが緑色になった理由は、ロクテがそこにも小便をしたからだと冷やかしている。ある新聞は風刺漫画で、「虚言」と書かれた鉄球に鎖でつながれ、プールの底に引きずり込まれるロクテの姿を描いた。
ロクテを含めた4人はまた、ブラジルの警察当局の捜査能力をみくびり、治安の悪いリオの評判を悪用しながらも、自分たちの行動がここまでの騒動に発展したことに驚いた様子を見せたことでも批判を浴びている。