> 知恵のない人々(251) < >2018-H30-12.27-NO.2262<
** 軍隊は不必要という主張(238) **
***「軍国主義者の愚かな選択」(206)***
** 憲法改正(168) ** 平成時代から大光時代へ向けて
* テレビ報道は検察に忖度(6) *
悩んだ末の判断ではあったが心から納得ができない二人はただ見つめ合う
だけだった。「私たちに何ができるの」妻に取って掛け替えのない夫に言った
言葉はただ空しいだけだった。夫は悩んでいた。「もし、俺があの停止した車に
追突していたらと考えると、これでいいのかと思う」あおり運転で停止させた
運転手は許されるものではないが、死んだ夫婦はトラックに追突されて死んだ。
「あのときのことを思い出すと何か自分に出来ることがあるんじゃないのかと
思ってしまうんだ」夫は妻に背を向けた。「そんなに考えなくても」夫の目に涙が
溢れた。「寂しいし、怖いだ、自分が殺したかもしれないと思うと」妻は夫の
背中に顔を押し当てて「あなたでなくてよかったと思うけど、後ろのトラックは
よけられなかったの」夫は振り返り妻を抱きしめた「そうなんだよ。それがどう
しても気にかかるんだ」運命の果に佇む人の気持ちなのか、夫は深い瞑想の
中に入って行くような不思議な感覚に包まれた。「魂を感じる。人の魂かな、
死んだ人の魂かな」夫は悩んでいると妻は思った。「しっかりしてよ。私を見てよ」
どこのだれかが自分が通り過ぎた場所で一瞬の内に死んでしまった。その
時の時間が蘇るような予感、それは辛苦の時間を旅する人たちの群れに
引き込まれてしまう感じ、どうしようもない趣に飲み込まれる感じ。「あなたが
したいようにすればいいよ。私は生きているのよ。それを忘れないでね」
深い眠りに就きたかった二人に取ってそれは耐えがたいものだった。