「18年は長いな、でも、なんで僕のトラックを映像化しないのかな」運転手は
妻の肩を揉みながらテレビをじっと見ていた。テレビに流れるのはトラックが
突然停車した車に追突し、夫婦二人が死亡したという事件であおり運転の
運転手に全ての責任があるようにテレビの司会者は言っているように
感じたが、トラック運転手はその説明に納得出来ない自分の存在を感じ取った。
確かに突然と言えばそうかもしれないが、あの当時のことを思うとあおり運転
の二台の車が他の車に対しても危険な運転をしていたので、多くの車の運転手は
あおり運転の車には注意をしていたと思うし、自分の後方のトラックもあおり
運転には気付いていたはずであり、自分が車線変更したときもブレーキランプを
何回も踏んでいるので、後ろのトラックが気付かないはずがないと思った。
多くの車があおり運転の危険な運転に気付いていたとすれば、追突した
トラックもあおり運転に気付いていないなんておかしいし、追突したなんて
理解に苦しむ。あの時、後方のトラックの前方不注意ってことに成らなかった
のかな。それがテレビ報道ではあおり運転の運転手に責任があるということに
なり、検察は18年間という刑罰を言い渡しているけど、なんだかおかしくないか。
テレビ報道における再現映像にあおり運転の車を回避したトラックの存在を
無くした、その理由はなんなのか。何か深く重たい闇を感じてならない。