https://archive.md/KbeOl
http://webcache.googleusercontent.com/search?q=cache:http://fs1.law.keio.ac.jp/~negishi/Jpn.texts/JTweber.html&ie=UTF-8&strip=1&vwsrc=0
http://fs1.law.keio.ac.jp/~negishi/Jpn.texts/JTweber.html
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著者: 根岸毅(ねぎし・たけし)
慶應義塾大学名誉教授・政治学専攻
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出典: 慶應義塾大学法学研究会『法学研究』第69巻第4号、1996年4月、1-21ページ。
国家の概念とウェーバーの間違い
…私たちがいま行なおうとしているのは、装置の種別の確認である。すでに明らかにしたように(参照、三 a「装置が実行する仕事の構造」および四 _B「二重の基準」)、装置の種別を確認するためには、装置が実行する仕事群のなかで準備作業を無視し、特有の仕事のみに注目する必要がある。また、私たちは国家以外の装置の場合にはそれを行なっている。国家に関するウェーバーの立論は、この必要な手順を踏んでいない。したがって、結果的には、彼は「二重の基準」論法をとってしまっている。ここに彼の間違いがある。
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…五 おわりに
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…この手順は、論理がそれを求めるだけではなく、国家以外の装置については、国家の目的は特定できないと主張する人たちも含め、日頃私たちが当然のこととして行なっている方法である。ところが、ウェーバー流の議論を行なう研究者は、国家についてはこの方法をとらない。しかも、この「二重の基準」論法を正当化する根拠は一切示されていない。ウェーバーの間違いはここにある。
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(1995年9月1日・脱稿)