2016年04月30日
伊藤和子のスラップ訴訟について
きのうからネット上で話題になっているので、少し説明しておく。今週、私のところに伊藤和子弁護士を原告とする訴状が届いた。主張はいくつかあるが、主要な論点は次の私のツイートが彼女に対する「名誉毀損行為」にあたるというものだ。
国連に「性奴隷」を売り込んだ弁護士が、今度は「日本の女子学生の30%が援助交際」などのネタを売り込んでいる。 https://t.co/vMveVdgTK7
— 池田信夫 (@ikedanob) 2015年10月30日これについて、伊藤は私に440万円の賠償金を払って「謝罪文」を書けと主張している。その理由は「原告がブキッキオ氏に対して“日本の女子学生の30%が援助交際をしている”との情報を提供した旨の事実を摘示するものである」からだという。
これは単純な誤読である。上のツイートで、私は伊藤が(国連の権威を利用して日本社会に)ブキッキオ氏の発言をネタとして売り込んでいると書いたのであって、「伊藤が30%という情報を提供した」とは書いていない(他の記事でもそういう主張はしていない)。したがって伊藤には、このナンセンスな訴訟を取り下げることを勧告する。
このように他人を脅迫して言論を封殺するための訴訟をスラップ訴訟(Strategic Lawsuit Against Public Participation)と呼ぶ。こういう訴訟を許すと、ネット上の言論に対する萎縮効果が大きい。まして「人権派」を自称する弁護士がこのような人権侵害を行なうことは弁護士の職業倫理に反するので、彼女が訴訟を撤回しなければ、弁護士懲戒請求も検討する。
あとは訴訟戦術上の問題もあるのでオフレコ政経ゼミで。