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その中で蘇教授は、慰安婦総数を「40万人」とし、半数が中国人だったと主張した。ただし、これは300万人の日本兵に対する慰安婦の「割合」を蘇教授が推算したもので、合理的根拠は皆無だ。
また、同書は日本の左派学者たちの研究を下敷きとしているが、特に「田中ユキ」など複数のペンネームを使い分け、日本の戦争犯罪を批判してきた元広島市立大学教授・田中利幸氏の著作内容が数多く反映されている点について注意を払わなければならない。
というのも、田中利幸氏の英文著書には『知られざる恐怖』や『日本の慰安婦─第二次世界大戦と米占領下の性奴隷と売春婦』があり、前書ではニューギニア戦の一部で日本軍が組織的かつ慣行的に人肉食を行ったかのように書く一方、英米軍の戦時性暴力について「見当たらない」としている。これらはともに事実に反する内容だ。
後書は慰安婦に対する日本軍の強制性を裏付ける資料として流布され、2007年7月の米国下院「対日非難決議」の根拠となった。それらの資料は「性奴隷」という言葉を国際社会に広め、『中国人慰安婦』にも引用された。
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