宮城県のあるオーナーの場合、もともと酒屋をやっていたが、九〇年ごろセブンイレブン本部からの 勧誘をうけ、土地と建物を自前でもつ「Aタイプ店」を開店した。
ところが、本部がすぐ近くに同業のセブンイレブン店を開店したため、売上は急減した。
家計をささえるためオーナーは他のバイトに出たが、自分の家のセブンイレブン二四時間営業も
保証しなければならず、バイトが欠勤すれば自分がかわりにシフトにはいる生活で疲労困憊した。
やむなく売上高の一部を生活費にまわしたが、すぐに店舗経営指導員の監視がはじまり、そのあげく
「契約更新打ち切り」を通告された。かれは店舗二階の階段で首をつった。
セブンイレブン本部では「四生五殺」ということもいわれている。
「四〇〇〇万円までは借金させても大丈夫。五〇〇〇万円までいくと自殺する」という意味だ。
本部は、契約のさいにオーナー夫妻の総資産の一覧を提出させるという。預金や不動産、生命保険、 各種保険、株・証券、借金、ローンなどすべてだ。 けっきょくオーナーの全資産を巻きあげることをねらっているのだ。
保険かけ自殺しても儲ける手口
しかも本部は強制的に「セブンイレブン加盟店共済制度保険」に加入させる。
これは傷害、火災、病気、死亡、所得補償などを網羅したもので、オーナーになにがあっても、
債権はすべて本部が回収できる仕組みである。自殺しても本部は儲かる仕組みである。
セブンイレブンのこうした実態は、マスコミではいっさい報道されない。
週刊誌や新聞にとって、いまやコンビニは最大の販売所となっており、とりわけ最大手のセブンイレブン
においてもらえるかどうかは、死活問題になっているからである。
セブン&アイ会長の鈴木敏文は書籍の大手取次会社トーハンの出身者であり、いまもトーハンの
取締役である。
セブンイレブンが伸張するかげには、バイト店員やオーナーの犠牲がある。