結婚相手を選ぶときには、借金の有無などについて、事前に確認しておいた方がいいという話をよく聞きます。 とはいえ、恋愛感情が先走った結果、大事なことを確認をしていない人も多いことでしょう。 菜摘さん(仮名・30歳)もそんな一人。 ですが、彼女は、彼氏の実家に結婚の挨拶も兼ねて帰省した際、ある事実を目の当たりにしたのでした。
◆年末彼の実家に結婚のあいさつ兼ねて帰省 数年前の年末、菜摘さんは婚約者である博之さん(仮名・30歳)の実家へ挨拶も兼ねて帰省することにしました。 「正直ドキドキでした。彼の実家への挨拶も初めてでしたし、1泊だけしようという話になり……ウマが合わなかったら、どうしようかなと思っていました」(菜摘さん、以下同)
そんな菜摘さんの心配をよそに、到着するとなんと親戚一同でお出迎えが。 それもそのはず。博之さんが彼女を連れて帰ってくるのは初めてで、しかも婚約者を連れてきたとあって、本家は大盛り上がり。
「とりあえずはホッとしました。歓迎されてるんだって。若干ファミリー感が強すぎる気もしましたが、博之さんは地元に戻るつもりはないと言っていますから、まあ距離を取ってればいいかなと許容範囲でした」 しかしリラックスしてくると、ちょっと「あれ?」と思うことも増えてきたそうです。
◆謎の多い仏壇と宗教系の本が…… その夜は菜摘さんを中心とした宴会が長い時間、開かれていました。 「どこで出会ったの?」「博之のどこがいいの?」なんて質問が飛び、お酒が回ったら祖母から直筆の手紙を渡され「この子をよろしくね」と頼まれたりもしました。 「やっぱり、強すぎる連帯感はちょっとな…とは思いましたが、1日我慢すれば終わることだからって気持ちになってました。でも……」
顔をそむけながら、菜摘さんは言葉を選ぶように、ポツポツと話し始めます。 違和感を最初に覚えたのは、仏壇を目にしたときだといいます。
「詳しくないんですが、一般的なものとは、ちょっとお供えされているものが違ったんです。ちょっと神棚っぽいというか。地方にはそういう風習もあるのかなと思って、それはスルーしたのですが、寝る時になって、その違和感は確信に変わりました」
寝室は客間の和室で、本棚がありました。 寝る前に何気なく置いてある本を見ると、そこには聞いたことのある新興宗教関連の本が何冊か置いてあったそう。
「正直、混乱と、硬直って感じでした。彼は知ってたのかなって……でも、知ってたらどうして言ってくれないのかなって。結婚したら私も入るのかなって、とにかくそんな考えがブワーッとあふれ出し、不安でいっぱいになった事を覚えています」
◆後日、彼を問いただすと…… モヤモヤをめいいっぱい抱えたまま帰省は終了。 その後は観光を何事もなかったように楽しんだものの、最終日、菜摘さんは思い切って彼に聞いてみました。
「結婚する前に1つ確認したい事があるんだけど、って正直に言いました。偏見はないつもりだけど、“隠していたのか?結婚するにあたって、その手の問題をどう考えているのか?私は結婚したら入信しなくちゃいけないのか?”について。混乱もあって、一気にバーって言った気がします」
ドキドキした直談判。 しかし彼は、意外にも「え?そんな話?」と、拍子抜けした様子だったとか。
「彼の言い分は『隠していたつもりは全然なかった』