政府が喫緊で対応を迫られるのは、8月1日召集とも報じられている臨時国会だ。米国による追加関税や長引く物価高対策のために補正予算の編成が必要になれば、一定の会期が必要になる。勢いを増す野党がガソリン税の旧暫定税率廃止法案などを提出する可能性もある。野党が多数を占める国会が会期を決めることからも、「主導権」はすでに政府、与党から離れているとも言える。
こうした現状に、前出の経済官庁幹部は「旧来型の自公の政策決定プロセスを見直す必要がある」と指摘する。これまで予算編成や税制改正のプロセスを含め、多くの意思決定が与党内でブラックボックス化された結果、有権者の政策への理解が置き去りになっていたとの見方だ。「政権や与党の論理で政策決定を進めるのではなく、今後はより丁寧な国民への説明が必要になる」とこの幹部は話す。
永田町に衝撃を与えた有権者の「熱」は今後も続くのか。キヤノングローバル戦略研究所の上席研究員・峯村健司氏は、「参政党を支持している人たちは、政策というよりは既存政党に対する大きな不満を抱えている」とした上で、「これまでも、そうした民意の一時的な受け皿となる政党はあったが、参政党が異なるのは地方組織をしっかりもっている点だ」と指摘している。
(鬼原民幸 編集:橋本浩)