円取引量、22年介入に匹敵か 「激しい値動きに声失った」
29日の外国為替市場で円相場が1ドル=160円を付けた後に急騰した。市場では政府・日銀による為替介入があったとの見方も浮上する。財務省の神田真人財務官は30日もノーコメントを貫いたが、市場参加者の間では為替介入の「証拠」探しが進んでいる。一方向の円安進行に歯止めはかかったものの、米利下げまでの時間稼ぎにしかならないとの声は根強い。
「ドル円相場が円安方向にあんな動きをするのは初めて見た。(急落とその後の急騰について)だんだん声も出なくなるような激しい値動きだった」。祝日の29日も出勤していた邦銀の為替ディーラーはこう振り返る。
日銀が金融政策決定会合を開いた先週26日、円相場は1ドル=155円台から158円台まで下落した。祝日だった29日の東京市場では、政府による為替介入を警戒し休日出勤する外為市場の参加者が多かった。そこで市場が目の当たりにしたのは一瞬で158円から160円まで急落するフラッシュ・クラッシュのような異例の値動きと、大規模な円買いによる急反騰だった。
29日午前10時30分すぎに急落し、34年ぶりに1ドル=160円台の大台を付けた。祝日で輸出企業の円買いが細るなか、投機筋の円売りが円相場を押し下げた。雰囲気が変わったのが午後1時すぎだ。円が断続的に上昇し、一時154円40銭まで円高が進んだ。円安に振れるのを阻止するような断続的な円買いが続いたことで、市場では為替介入との観測が強まった。
佐伯遼
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB301BR0Q4A430C2000000/
2024年4月30日 12:57 (2024年4月30日 14:16更新) 日本経済新聞