いやー、くだらなかったです。
彼がどれだけ掲示板に対して熱かったか、そして彼の説く掲示板でのお約束事情、
そしてその憩い場を荒らされるというのがどういう事か、
そういう掲示板についての説明がかなり長々と理屈ぽく書かれてます。
そして憩い場だった掲示板を荒らした、
何処の誰かもわからない顔も見えない人に復讐する為に事件を起こした。
それをメディアが大きく取り上げてくれて、
その荒らした人もテレビを見てきっと改心してくれてるだろう。
これによって自分のトラブルは「解決」したとまで言い切っています。
勿論、彼は反省もしていますし謝罪もしていますし後悔もしています。
でも彼自身で分析した事件への衝動と流れは、やはり共感には遠かったです。
掲示板を荒らされた時の怒りならばよく解ります。
アイデンティティが崩壊していく様を自らで見ながら何もできないもどかしさ、激烈なイラつき、解ります。
自分も以前、固定ハンドルを名乗るくらい掲示板のヘビーユーザーだったので、
成りすまされた時とかは、もし目の前にその本人がいたら頭を金属バットでぶん殴って殺したいくらい、
そのくらいの瞬間的な怒りが沸き上がったものです。
でもそれも結局、パソコンの画面を切ればすぐに収まります。どうでもよくなります。
それを彼の弁で言うと、対策として「社会と接点をたくさん持って欲しい」との事らしいです。
接点が沢山あれば、パソコンの画面を切って他の事に意識を向けられる、と。
でも私もヘビーユーザーだった時は社会と接点なんか薄かったし(友達も恋人いない)、
そもそも薄かったからこそ掲示板なんかに張り付いてヘビーユーザーになったのでしょうから。
でも成りすまされたからって、大きい事して気づいてもらって復讐なんて普通は考えません。
結局、加藤くん本人の人格異常という、簡単な結論に逃げたくなるくらい、不明瞭な言い分の羅列でした。
彼はこうも言っています。自分の犯した事件は通り魔ではなく、社会に絶望したわけでもなく、
死刑になりたかったわけでもなく、
いわゆる「誰でもよかった」系の無差別殺人でもない。
顔の見えない相手に復讐する為に大きい事件を「矢」に替え、その矢をメディアが運ぶ事で、
的(復讐相手)に当てる、そのような事件だと。
こういう自分のような事件が、二度と起こらないように防いで欲しいって…
そんな異常な動機では二度と起こらねーよ!って言いたいです。お前だけだわ!、と。
とにかく、彼独自の路線で突っ走った理屈っぽい文章、それも掲示板の文字の読み取り方の説明とか、
つまんない内容の羅列ですので、きっと多くの人には合わないと思います。
そのくせ、事件そのものの描写はあまり多くないんですよね…「ほとんど記憶が無い」らしいので仕方ないですけど。
自分は新品の定価で買いましたが、はっきり言えます、損しました。