食料品高騰で“エンゲル係数”が過去最高域の29%に 政府・日銀が掲げる経済政策の弱点と今後の対策を専門家が解説
10月に発表されたエンゲル係数が過去43年間で最も高い29%に達した。
エンゲル係数は、家計の消費支出に占める食料費の割合を示したもので、今回発表されたのは、2022年9月から2023年8月の平均値である。
【画像】「所得を増やすべし」と提唱 第一生命経済研究所 首席エコノミスト 熊野英生さん
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食料費が増え続ける理由について、第一生命経済研究所の首席エコノミスト、熊野英生さんに背景と対策を聞いた。
日本の豊かさが脅かされている証
ーーエンゲル係数は何を表す数値?
エンゲル係数は生活の豊かさを示す指標の1つで、食料品が消費全体の金額のどれくらいの割合を占めているかを表します。
食料品のウェイトが小さいと食料品以外にお金を使っていることになるので、生活が豊かになっていると解釈します。
新興国などのエンゲル係数は高い一方、豊かな国ではエンゲル係数が低下していくという経験則があります。
こうした中、今回の日本の数字というのは、食料品価格が高騰し、豊かさが脅かされていることを示しています。
ーー今回発表された29%は、どれくらい高い数値?
日本は、1980年代前半は今と同じ29%ぐらいの係数でしたが、それがだんだんと低下して、再び上昇しました。
コロナ禍の初期は、外出ができなかったため消費全体が縮小してエンゲル係数が高くなりましたが、今回はそれとは違う形で、食料品の値段が高くなり、特に高齢者の生活が圧迫されている状態です。
43年ぶりの高水準で、2001年以降の数値では最高タイとなっています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/f298dd13c57f3383b53c976a7371570e185ee803