日本の労働分配率が2年連続低下、過去最高益でも従業員に恩恵薄く
─ 22年度は67.5%と4年ぶり低水準、経常利益13.5%増も人件費3.8%増
─ 利益を労働者に分配するメカニズム働かず、終身雇用の弊害との指摘
日本企業の生み出した付加価値が働く人にどれだけ配分されたかを示す労働分配率は、2022年度に2年連続で低下した。過去最高の企業利益にもかかわらず、「成長と分配の好循環」を目指す岸田文雄政権の取り組みがまだ道半ばであることを示した。
財務省が1日公表した法人企業統計調査によると、22年度の全産業(金融・保険を除く)の労働分配率は67.5%と前年度の68.9%を下回り、4年ぶりの低水準となった。経常利益は13.5%増の95兆円超と過去最高を更新したが、人件費の伸びは3.8%にとどまった。
企業の利益は、労働者への分配よりも手元資金の積み上げや株主への配当に向かっている。22年度の内部留保は前年度比7.4%増の555兆円と11年連続、配当金は同9.1%増の33兆円と3年連続で最高を更新した。小池氏は、コロナ禍を経て「現金をため込んでおくような内向きの守りの姿勢を変に強めてしまった」と指摘した。
全文はソースで
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-09-01/S0A9RIT1UM0W01
占部絵美 | Bloomberg
2023年9月1日 15:25 JST