IAEAは原発を持続的に拡大するため、汚染水の放出を安全だと判断せざるを得なかったという主張も出た。日本政府やIAEAは、一般の原発から出ないセシウム137やストロンチウム90など人体に致命的な他の放射性物質は基準値以下に除去されるとし、トリチウムのみを争点とした。トリチウムは韓国や米国、中国など原発爆発事故がなかった一般の原発からも出てくる放射性物質。東京新聞は「IAEAが福島でトリチウムの海洋放出に『待った』をかけると、世界の原発でトリチウムの放出に『待った』がかかる。原発を稼働させる国はトリチウムの処分に困ることになる。裏を返せば原発が稼働できなくなる」と強調した。
日本政府と東京電力の利益だけに焦点を合わせた偏向性も問題として指摘された。福島大学の後藤忍教授は、同紙とのインタビューで「表向きは福島を尊重するという形だったが、地元の漁業者などの声はIAEAから軽視された。その点はもっと指摘されるべきだ」と批判した。
IAEAが4月、汚染水の海洋放出が「国際安全基準に合致する」との結論を出したのに続き、日本原子力規制委員会は7日、最後の行政手続きである汚染水放流設備「使用前検査」と関連し、東京電力に終了証を出した。日本の漁業者たちと市民社会、周辺国の懸念にもかかわらず、来月海洋放出に踏み切ることが有力視されている。
東京/キム・ソヨン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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