スシローと呼ばれても 田﨑史郎さんが隠し持つオフレコ
ここ数カ月、政治家や官僚の会食が関心を集めている。コロナ禍での会食の是非が発端だったが、官僚と民間企業、官僚と政治家接待と、次から次へと明るみに出て、幹部の辞任にまで発展している。そもそも政治家はなぜ会食をするのか。記者は政治家とどう向き合うべきなのか。「首相動静」欄に会食や懇談の相手として頻繁に登場する政治ジャーナリストの田﨑史郎さん(70)に聞いた。
政治は闘い、政策ではなく感情と打算が動かす
――政治家はなぜ会食をするのかについて、今年1月に民放のテレビ番組で語った解説が話題を呼びましたね。
「はい。政治家は会食するのが仕事です、仕事が会食みたいな商売なんです、と言いました。そうしたら、視聴者から番組にLINEで数千件もの質問が殺到したのです。ショッキングな経験でした」
「政治家はリモートでは仕事できないのかとか、代金は誰が払っているんだとか……。僕は42年間も政治取材をしてきましたが、自分にとって当たり前だったことが、視聴者にはとてもおかしなことに映っていたのです。会食はなぜ必要なのかと、この間、自分に問い直しました」
――具体的に何がショックだったのでしょうか。
「一番ショックだったのは『リモートでもできるんじゃないですか』という声でした。僕の考えでは、政治という営みには会食をすることが不可欠だったからです。会食する最大の目的は、互いの人間関係を深めることです」
https://www.asahi.com/articles/ASP3H4RDLP3FULZU001.html