「ギフテッド=天才」ではない 「発達障害」と混同する特性と行動の誤解を専門家が解く〈dot.〉
■「ギフテッド=天才」ではない
ギフテッドの子どもが興味のあるものを目の前にした時の例えを角谷教授がしてくれた。「空腹で倒れそうな時に、目の前にクッキーが現れて、それをむさぼるようなもの」なのだという。私は、それほど強烈な好奇心が生まれたことはなかったが、自分ではコントロールが容易ではないほどの感情なんだと想像した。
同時に、ギフテッド=天才といった誤ったイメージを指摘した。
「小学校に入る前に外国語が話せるようになる、相対性理論を完全に理解する、など超人的な才能を見せる子どもがギフテッドだと誤解されているように感じます」
メディアで取り上げられるのも、若くして英語や数学の検定に合格した子どもや飛び級で大学に入学した子どもなどで、華やかで実年齢と大きく乖離(かいり)した結果を残した子どもがフォーカスされやすい。珍しいがゆえに、ニュースとして取り上げられてしまうのだ。私自身も、当初ギフテッドに抱いた印象はそうした「超人」だった。
このような情報を見聞きするうちに、「ギフテッド=人並み外れた超人的な才能を持った天才」といったイメージが先行しているのかもしれない。しかし、そうした超人的な才能があるのはギフテッドの中でもごく一部で、極めてまれな存在なのだという。
「学校の先生が『教師人生でそんな才能の子どもを見たことがない』とつぶやいたと聞いたことがあります。この先生の感覚は決して間違っておらず、ギフテッドのイメージが超人的なものに限定されてしまったことに誤解の原因があると思います」と角谷教授。
つまり、超天才がギフテッドだと誤解をしてしまうと、学校の先生たちは自分たちの教え子の中にギフテッドがいるにもかかわらず、気づかない可能性があるということになる。
角谷教授によると、ギフテッドとされる子どもは様々な才能において3〜10%程度いるとされている。35人がいる教室では、1〜3人のギフテッドがいることになる。「教師人生で見たことがない」どころか、今の教え子の中にもギフテッドがいるかもしれないのだ。ギフテッドのうち、9割を占めるのがIQ120〜130の人で、「人並み外れた超人的な才能を持った天才」とイメージされるIQ160を超えるような人は、ギフテッドの中でもごくごくわずかだという。
全文はソースで
2023/06/19 16:00 AERA dot.
https://news.goo.ne.jp/article/dot/life/dot-2023061900013.html