特殊詐欺被害者が特定危険指定暴力団 工藤会トップ相手に提訴
https://www3.nhk.or.jp/lnews/yokohama/20230329/1050018896.html
特殊詐欺で暴力団員から現金をだましとられたとして、関東地方に住む高齢の女性４人が特定危険指定暴力団・「工藤会」のトップに賠償を求める訴えを横浜地方裁判所に起こしました。
組織のトップに対する訴えは各地で起こされていますが、弁護団によりますと、工藤会に対するものは全国で初めてだということです。
訴えを起こしたのは、関東地方に住む７０代から８０代の女性４人で、２９日、弁護団が横浜市で会見を開きました。
それによりますと、４人は２０１９年、詐欺グループのうその電話で現金をだまし取られ、そのグループには工藤会の傘下組織の組員が関与していたということです。
訴えでは、詐欺グループで指示役を務めたとして刑事裁判で有罪が確定した傘下組織の組員のほか、工藤会トップの野村悟総裁など合わせて３人に対して１３００万円余りの賠償を求めています。
特殊詐欺の被害者が、暴力団対策法などを適用して組織トップに賠償責任を求める裁判は各地で起こされていますが、弁護団によりますと、工藤会に対する訴えは全国で初めてだということです。
弁護団長の山縣秀樹弁護士は、「特殊詐欺を減らすとともに暴力団の資金源を断つためには工藤会というとりわけ危険な組織に対してもひるまずに責任を追及する裁判を起こしていくことが大切だ」と話しています。