まとめると、これだけのことですが
空海的に「法華はいまだ悟らざる迷いの仏の位」、つまり後代の経典ほど練られていて深いが、法華は初期大乗の浅さがある
その前提で、現在の日本の密教宗派の教学はいくつかの限られた経典を中心として成り立っており、その枠内で経典を組み替えると、教学上は、一つの密教宗派ができる
密教教団○○宗:導入経典「△△経(真言)」、サブの初期大乗顕教「法華経」または「般若経」、メインまたはサブの中後期大乗顕教「華厳経」または「涅槃経」←メインは密教
真言:導入経典「般若心経」、サブの初期大乗顕教「般若経」、サブの中後期大乗顕教「華厳経」←メインは後期大乗の密教
天台:導入経典「観音経」、メインの初期大乗顕教「法華経」、サブの中後期大乗顕教「涅槃経」←のちに後期大乗の密教化
天台の場合、後期大乗の密教がデフォルトでなくて後から取り入れ、メインの顕教で初期大乗の法華、サブの顕教で中期大乗の涅槃、と後付けで一式そろえているが
つぎはぎなのと智顗の印象批評教学に引きずられて、顕教経典の優先順位を成立年代と逆にしている(要は間違っている)など、若干いびつな形態