「差別発言」でWHO日本人職員が停職 自民議員らが送った「嘆願書」
10月初旬、日本から1通の書簡が世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長に送られた。WHOに勤務する日本人幹部に下された「処分」について、公正な手続きを求める内容で、差出人は歴代の厚生労働相経験者らだ。「嘆願書」のような書簡の背景には、テドロス氏らWHO内の複雑な思惑が見え隠れする。【神足俊輔】
「私たちは、WHO西太平洋地域事務局長の葛西健先生に対する疑惑に対するWHOの対応について懸念を共有するために、この連名で書簡を送ります」
書簡は、慎重かつ丁寧な書きぶりで始まる。葛西氏は、今年1月に人種差別的な発言をしたとする内部告発があり、調査の結果、8月に停職処分を受けた人物だ。発言の内容は明らかにされていない。書簡にある「私たち」とは、差出人である、田村憲久氏や塩崎恭久氏、根本匠氏といった歴代の厚労相を含む自民党の国会議員ら8人を指す。
書簡はこう続く。「私たちはこの疑惑について直接知っているわけではないので、特にコメントしません。しかし、葛西先生を長年知っている私たちにとって、…
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毎日新聞 2022/10/28 16:00(最終更新 11/2 21:03) 有料記事 1989文字