覚鑁についての検討
覚鑁より前の世代の藤原道長が、荒れていた高野山を復興した
その辺もあって、覚鑁は食い扶持問題を実際の理由に、高野山を東寺から独立させたのではないか、という話をした
東寺ではなく高野山に金と人が集まる現在の形態、これは一定の意義はあるだろうという話
東寺は都市部の京都だから、寺格が高ければ、権限上、優遇されてなくても、それなりに金が入るものね
同じ根本寺院ながら、都市部の東寺だけが繁栄して、田舎にある高野山が寂れる、潜在的にその可能性を存続させるのが東寺の高野山支配、これを覚鑁は嫌ったのではないか
そう考えると、覚鑁の行動に意義なしとは言えない
新義サイドの「覚鑁が嫉妬されて襲われた」という説明に違和感があって検討したのだと思うわ
覚鑁が、真言根本道場の、東寺と高野のうち、前者のみでなく、両方の存続を意図して、前世代には荒れていたこともあった、田舎の高野に今後も金と人が集まり続けるよう、東寺から高野を独立させ、その上で、新しく建てた覚鑁の大伝法院に権限が集まるようになると、食い扶持を奪われた側に復讐された
こういう話だと納得がいく
高野山といえば金剛峰寺
大伝法院を並立させて、権限争いがおこる状態をもたらした、覚鑁の政治的手法がどうなんだ、という批判は成立し得るでしょう
自分のミスが原因で混乱を招き、手を出した方が悪いにしても、混乱の果てに覚鑁が追い出されることで荒野のガバナンスが回復したのなら、覚鑁の自業自得ともいえる
根来寺は、その点を、単に「嫉妬されて襲われた」と表現して胡麻化している
此方の見解で、総合的に覚鑁の評価を言えば、一定の意義あることを実現したが、手段が強引で禍根を残した、という感じでしょうか
禍根って何か
東日本に多い新義の寺が、真言の根本道場である、高野山や東寺について、悪者的な言説で語ることになった
仏法の中心的なものについて、非難攻撃を加えるという点で、新義サイドと日蓮宗は似ている
積極的に考えると、真言を関東に広めるために覚鑁が選ばれたのかも知らんけどな
京都政権への反逆というのが、関東では疑わずに受け入れられる
逆に京都政権の優等生は、関東では受け入れがたい
関東で真言を広めるためには、覚鑁が必要だった、ので、天が彼とその宗派に運命を与えた
こうも考えられる
覚鑁に係る諸々は、新義サイドの全体の傾向の話であって、地縁で智だとか成田山だとかで、覚鑁カラーの薄い寺も少なくないので、墓レスに載っている特定の寺が根来寺以外は、何かそこに問題があるって話ではないと思います
でも根来寺が東寺高野を悪者にするので、関東で智・豊の墓が売れて、空海の秘法にあずかる人が増える、という面もあるんじゃないの
新義のスタイルは良かれ悪しかれって感じ
理屈から外れるが経営上必要みたいな、必要悪的な雰囲気
それが天の意図なら、数字さんも智・豊の墓を選んでいたし、特に東日本の人は墓レスに載っている智・豊の墓を買うのもよいのではないでしょうか
覚鑁カラーが強くない寺も多いので、智・豊の墓自体は問題ないのではないか、とも上でレスした
高野派だって覚鑁を追い落とした側なんだから、完ぺきではない
それは新義サイドがギャーギャー言うので、業界の人は良く知っている
一定の事績があるが、覚鑁の行動にも瑕疵があった、と冷静に歴史を把握して記述すればいいだけの話じゃないのかといっている
今となっては高野派よりも、その辺を「嫉妬された」とか包み隠して、被害