もしも人間の頭蓋骨で作られた櫛があったら、あなたはそれで髪をとかしてみたいと思うだろうか?
考古学者も同じ疑問を抱いている。
イギリスのある村で人間の頭蓋骨から作られた約2000年前の、鉄器時代の櫛らしきものが発見された。
だが詳しく調べてみても、その櫛には髪をとかした形跡が見当たらなかったのだ。
では、一体古代の人々は、何のためにわざわざ頭蓋骨で櫛を作ったのだろうか?
人間の頭蓋骨という驚くべき素材でできた櫛(クシ)が発見されたのは、イギリス、ケンブリッジシャー州にあるバー・ヒルという村だ。
発見地にちなみ「バー・ヒルの櫛」と呼ばれるようになったその遺物は、紀元前750年〜紀元43年の
鉄器時代のもの。今から約2000年ほど前のものだ。
発掘されたのは全体の半分ほどで、長さは5センチほど。下の端には櫛の歯のようなものが刻まれている。
確かに櫛そっくりの見た目だが、古代人がそれで髪をとかしたかというと、そうではなさそうだ。
というのも、歯の部分にすり減った痕跡がまったく見当たらないからだ。
しかも上部にはヒモでも通せそうな穴も開いていたようだ。
このことから、身だしなみを整える道具ではなく、むしろお守りや儀式用の道具だったのではと推測されている。
https://news.biglobe.ne.jp/trend/0304/kpa_230304_5142013635.html