放送法めぐる文書、総務相「確認できてない」 高市氏は会見打ち切り
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安倍政権下で、放送法の政治的公平性をめぐる解釈について首相官邸側と総務省側のやりとりを記録したとされる文書について、松本剛明総務相は3日の閣議後会見で、「総務省作成の資料であるかどうかは申し上げかねる」と述べた。記載された内容が事実かどうか、「確認できていない」とした。
松本氏は文書に記された関係者に照会した結果として、「発言者に内容の確認を取っておらず、文書の記載について、かなりの方々が認識が異なると言っていることが判明した」と説明した。さらに「作成者が明確ではない、作成された経緯がわからないものである」とも述べた。文書について精査を続けるという。
文書は、立憲民主党の小西洋之参院議員が2日、公表した。2014年から15年にかけ、当時の官邸幹部らが安倍晋三首相から聞き取ったとされる発言や、高市早苗総務相、礒崎陽輔首相補佐官らの発言とされる内容が記載されている。小西氏は総務省の職員から提供を受けたとしている。「同じものが(総務省の)放送政策課に存在するということを確認を受けている」と述べた。
この点について松本氏は「文書の正確性というものが確認できていない。公の文書として総務省がどのような保管をしているかということについては現段階で私からは申し上げかねる」と述べた。
当時総務相だった高市経済安全保障担当相は3日午前の会見で、この文書について触れず、挙手する記者がいるなかで参院予算委員会への出席を理由に会見を打ち切った。高市氏は2日、記者団に対し、文書について報告を受けていないとした上で、「怪文書だと思う」と述べている。
松野博一官房長官は3日午前の会見で「資料に関しては総務省で確認中と承知している。放送法の解釈やその経緯などに関しては、放送法を所管する総務省において説明すると聞いている」と述べるにとどめた。公明党の石井啓一幹事長は文書を見ていないことを理由に具体的なコメントは避けたが、政府に「丁寧に説明していただきたい」と求めた。