植田委員
最初の当座預金残高 5 兆円は大まかにゼロ金利を実現するための金利調節である。その後に予想される道筋は、暫く経ってみると大して景気も良くなならないし、場合によっては物価も下がり続けている。そして日銀に対してさらなる緩和要求が来て 5 兆円といったように動かせるものを作ってしまったから 6 兆円にしよう、7 兆円に仕様となる訳である。7 兆円にする時に何ができるかと言えば、普通の短期金融資産では恐らく無理になってくるであろうから、長国買いオペの増額と思う。それで期待インフレ率が上がって金利が上がっていったり、景気がよくなっていくとなれば良いが、ならないと地獄になる。
武富委員
そう、地獄だ。量的緩和で、後は市場や世の中が何を見て日銀にもっと緩和をとどういう理論で言ってくるのかであるが、恐らく論理はないと思う。額でも少し増やせば何か違うことが起こるだろうと言ってくる訳であるが、それはやってみないと分からないということだから全面否定できない。そうするともっともっともっとということになる。
植田委員
願わくはこのようなことをしても意味がないなと途中で納得してくれることを期待することではないか。
武富委員
まさに量にコミットしても実際に期待インフレ率が上昇しなければ意味がなかったときっちり認める何か別の理屈が必要と思う。
植田委員
しかし我々としてもその出口となるストラテジーがない。
https://www.boj.or.jp/mopo/mpmsche_minu/record_2001/gjrk010319a.pdf
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