大分・194キロ“激突”事故 検察はなぜ「危険運転致死罪」を適用しないのか(1)
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去年2月に大分市で起きた自動車事故に関する、大分地検の判断が議論を呼んでいる。
一般道を時速194キロで走行した車が、右折しようとした車に激突し、乗っていた男性を死亡させた事故で、大分地検は「危険運転致死罪」の適用を断念、「過失運転致死罪」で起訴したのだ。
男性の遺族は「194キロの速度で事故を起こして、なぜ『危険運転』でないのか」と反発、上級庁の福岡高検などに“訴因”の変更を求める上申書を提出した。
大分地検は遺族に対し、「加害者は衝突するまで車を真っすぐに走らせているため、『危険運転致死傷罪』認定の要件である、『進行を制御することが困難な高速度』ではなかった」と説明したという。
一体なぜそのような判断が生まれるのか。
なぜ「危険運転致死傷罪」の適用がこれほど難しいのか。
どのように打開すればいいのか。
危険運転致死傷罪に詳しい識者らに話を聞いた。
■ 194キロで一般道を走行 それでも「過失」?
「私が思うに、これは殺人ですものね。進路に入ってくる人間はみんな跳ね飛ばしてやるという…」
電話での取材に応じてくれた女性の言葉は厳しい。
彼女の弟、小柳憲(こやなぎ・けん)さん(当時50歳)は去年2月、大分市内の交差点で起きた衝突事故で死亡した。
右折しようとした小柳さんの車に、194キロという猛スピードで直進してきた元少年(当時19歳)の車が激突したのだ。
激しくぶつかった2台の車の写真がある。ともにぐしゃぐしゃになっているが、特に小柳さんの車は原型をとどめていない。
194キロ。法定速度60キロの3倍超だ。
事故から2カ月後、大分県警は「危険運転致死」容疑で元少年を書類送検。
しかし1年以上経った今年7月、大分地検は「危険運転致死」罪ではなく、「過失運転致死」罪で起訴したのである。
「(危険運転致死罪で)起訴して無罪になると地検にとってもマイナスなんでしょう。だからあえて戦わないという方法を取るのだろうと。でもどうなるかはわからないじゃない?と私は思っているんですよね」(小柳さんの姉)
危険運転致死罪の最高刑は懲役20年なのに対し、過失運転致死罪は懲役7年。
何より遺族にとって、194キロという速度で起こした事故が、「過失」とされるのはあり得なかった。
8月14日、小柳さんの姉は記者会見を開き、訴えた。
「事故が起きた道路は信号も横断歩道もある一般道路です。高速道路ではありません。夜になるととても暗く、遠くから交差点にいる車を視認できるような状況ではありませんでした。
そのような状況にもかかわらず、『どれだけスピードが出るのかを見るために』アクセルを踏み続けたこと、そしてその結果起こした事故が、不注意による『過失犯』とは思えません」
以下ソース
https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000267160.html
[2022/09/03 10:30]