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臨済宗にとって宗祖といえば、中国の臨済禅師になります。その次に名前が出てくるのは、江戸期に衰退していた臨済宗に新しい息吹を吹き込んだ「臨済宗中興の祖」白隠(はくいん)慧鶴(えかく)禅師です。
もちろん、栄西が開かれた京都・建仁寺様や博多の聖福寺様などにおかれては、栄西は「ご開山様」として篤くお祀りされています。しかし、国内の大多数の臨済宗寺院においては、絶対的な宗祖とは考えられていません。日蓮宗の日蓮上人や、真言宗の弘法大師とは置かれている立場が異なるのです。
また、栄西は枯淡と呼べるようないわゆる「禅僧らしい」僧侶ではなかったようです。ボロボロの着物をきてはいけない、歯磨きをしっかりしなくてはいけない等と、身だしなみの重要性を説いています。そして「大(だい)師号(しごう)」」というような僧侶としての地位や名声も望んでおり、当時、一部批判も受けていたようです。おそらくそれらのことから、後世の禅僧たちは栄西の禅が「純粋ではない」としたのでしょう。