防衛費、最初にGDP比2%目標、適切ではない 自民・岩屋毅・元防衛相
<安保戦略見直し~私はこう考える>
自民党提言は全体として、わが国が直面する防衛上の諸課題に、的確に提案をまとめている。ただ政府が改定予定の「国家安全保障戦略」は本来、もっと統合的・総合的であってしかるべきで、そのための提言としては外交や経済、経済安全保障の観点などまだ十分でないところもある。
敵基地攻撃能力について話す岩屋毅・元防衛相=東京・永田町の衆院第二議員会館で
そもそも「敵基地攻撃能力」との言い方は、わが国の防衛政策を語る言葉としてふさわしくない。攻撃を受けた際に、これを防ぐに他に手段がなくやむを得ない場合は反撃せざるを得ないわけだから「反撃能力」と称するのは理解できる。
反撃能力の対象に「相手国の指揮統制機能等も含む」と明記したことは、いたずらに周辺国を刺激するだけでなく、対処のための準備を促し、軍拡競争につながる恐れがある。「安全保障のジレンマ」という言葉があるが、かえって衝突の危険を高めることにつながりかねない。無益であるばかりでなく、むしろ有害なことではないか。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/181170
2022年6月3日 06時00分