「KAZU1」取材合戦の裏で記者クラブを除名されたNHK
死者14人、行方不明者12人という未曾有の海難事故となった北海道知床沖の遊覧船「KAZU1」(カズワン)の沈没から2カ月。
行方不明者の捜索が続く中、取材にあたっていたNHK取材班の大失態が明らかになった。
■「マスコミで共有」――被害者遺族の依頼無視
(以下一部抜粋)
知床遊覧船の資料を提供したのは兵庫県の被害者遺族。知床の沈没事故取材は、地元の北海道メディアだけではなく全国の報道機関から記者が集まった。現場にいたある報道機関の記者は、こう話す。
「すぐに乗船者の名前や住所が明らかになりました。北海道から九州まで住所は広範囲。当然、乗船者の地元の記者が多くやってきました。NHKの兵庫県警担当だというX記者も、そうした一人。メディアスクラムにならないよう、各社、遠慮しながら取材をしていたんですが……」
そのNHKのX記者が、遺族の「共有」という言葉を無視して「独自ネタ」として報道した張本人である。今度は、兵庫県警記者クラブ加盟社の、ある記者が打ち明ける。
「5月5日夜8時22分、兵庫県警の記者クラブ加盟社に被害者のご遺族から提供された資料があるとして、NHKから資料が送信されてきました。ご遺族に確認したところ、各社で共有してほしいと資料を渡されていたNHKが、独自取材だとウソをついていたことが判明したんです」
だが、この問題は週刊文春の5月19日号で短く報じられたのみで、ほとんど公になっていなかった。現場が兵庫県警の管轄内ではなく北海道であったことなどが影響し、事情が把握しづらかったためだという。
https://news-hunter.org/?p=12529
2022/5/30 ハンター