自発的だと信じてもらえなかった 生放送で反戦抗議のロシア人編集者、BBCに話す
ロシア国営テレビ「チャンネル1」の編集者、マリナ・オフシャニコワさんは14日夜、ニュース番組の生放送中、原稿を読むアナウンサーの後ろで、「戦争反対。戦争止めろ。プロパガンダを信じないで。ここの人たちは皆さんにうそをついている」と書かれたプラカードを掲げ、「戦争反対! 戦争を止めて!」と声を上げた。
この抗議行動の前に、オフシャニコワさんは動画メッセージを録画。ウクライナで起きていることは「犯罪」で、侵略者はロシア、責任はウラジーミル・プーチン大統領1人にあると発言していた。
オフシャニコワさんは放送後、直ちに逮捕され、ビデオメッセージについて罰金3万ルーブル(約3万3000円)を科せられた後、釈放された。
BBCのキャロライン・デイヴィス記者による単独インタビューに応じたオフシャニコワさんは、事情聴取した捜査員について、自分の抗議行動が自発的なものだと信じようとしなかったと話した。
「職場で何かもめごとがあったのかとか、ウクライナについて怒っている親類がいるんだろうとか、私が西側の特殊機関のためにやったんだろうとか」捜査員に繰り返し聞かれたと、オフシャニコワ氏さんは説明。「私があまりに政府に反対することだらけで、もう黙っていられないんだと、理解してもらえなかった」とした。
また、「(モスクワの)中央広場に行って抗議すれば、ほかの人たちと同じように逮捕されて警察車両に放り込まれて、裁判にかけられるのは分かっていた」ため、生放送中にプラカードを掲げることにしたと述べた。
オフシャニコワさんは、自分が「ロシアのプロパガンダ・マシーン」の歯車でいることを止める必要があったと話し、他のロシア人に「クレムリンのプロパガンダ」に抵抗するよう呼びかけた。
2022年3月18日 BBC
https://www.bbc.com/japanese/video-60790116