貨幣処理機製造大手のグローリー(兵庫県姫路市)は3月14日、
コインロッカー販売保守などを担う子会社の社員が約13年間で
計約21億5500万円を横領していたとして、同11日付で元社員を
懲戒解雇したことを明らかにした。
同14日発表された同社内に設置された調査委員会の報告書によると、
2005年の入社当初より経理業務の支払・資金管理を担当していた元社員は、
2009年頃から2022年2月まで、売上金や保険料などの現金を他の従業員から
預かったままにしたり、会社の銀行口座から元社員の個人口座に振り込むなどの手口で着服していた。
不正行為の発覚を防ぐため、会社の銀行口座の残高証明書などの資料を改ざんするとともに、
会計仕訳を操作するなどの隠ぺい工作もおこなっていた。元社員は横領を認め、約7000万円を返金したという。
同報告書では、横領金について、元社員が競馬の馬券購入に
「約17億6300万円」、日常的な飲食代や遊興費に「約3億9200万円」を費消したとしている。
調査委員会は、遵法意識および規範意識が著しく鈍麻した元社員の単独犯と認定。
元社員個人の責任が大きいとしつつも、不正行為を早期に発見し阻止できなかった背景には、
出納・資金の管理に関する同社の内部統制の形骸化があると指摘した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/e856e2811f0982d62c2ae94fd8e7e6f41b555667