石原元知事「脳梗塞で平仮名すら忘れた」の衝撃
https://business.nikkei.com/atcl/opinion/16/051000048/051100001/
(一部)
3月3日、築地市場の豊洲移転を決めた元東京都知事、石原慎太郎氏が記者会見を行った。会見中に石原氏は、「2年前に軽い脳梗塞を患い、奇跡的に早期発見されて一命をとりとめた」と発言。さらに3月20日、都議会の調査特別委員会(百条委員会)の証人として出席した折には、冒頭の宣誓後、脳梗塞の後遺症で記憶には不確かなところがあると断るとともに、以下のような告白をした。
「脳梗塞の後遺症で、平仮名すらも忘れました」
そうはいっても石原氏は、田中角栄ブームの火付け役となった書籍『天才』を昨年1月に出版し、大ベストセラーになったばかりである。会見場へ姿を現した石原氏の足元は麻痺のせいか、心もとない様子であったが、会見そのものは往時の迫力こそ欠いたものの、自らの主張を堂々と押し通し、石原節そのものであった。
そうなると脳梗塞の障害を口にした冒頭のあいさつが嘘臭くなる。
「石原さんは最初から逃げを打っていた」
百条委員会の終了後、多くのメディアでそんな批判があがった。石原氏が脳梗塞について言及したことは、私の知人の編集者たちには責任逃れのための口実としか映っていなかった。
(からの)