世古氏は自民党所属で、大津市議3期、県議5期を歴任し、両議会で議長も務めた。引退後の15年に選管委員長に就任し、現在2期目。選管委員長になってこれまでに、各2回の衆院選と参院選、各1回の知事選と県議選を合わせた計6回の選挙が行われている。
選管委員は、国政選挙や知事選の選挙管理を担い、地方自治法では「人格が高潔で、政治及び選挙に関し公正な識見を有するもの」を条件としている。
選管の実務に詳しい選挙制度実務研究会の小島勇人代表理事は「こうした例は全国的に聞いたことがない。政治活動の延長には選挙活動があり、委員の資質が問われるのは当然」と批判。その上で「法的な問題以前に、選挙の信頼と公正性を保つため、有権者に少しでも疑念を抱かれないようにすることが選管委員の務めだ」と指摘する。
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