『サピエンス全史』のユヴァル・ノア・ハラリ氏、ウクライナ侵攻を受けてガーディアン紙に緊急寄稿。全文公開!|Web河出
https://web.kawade.co.jp/bungei/34777/
(序文)
開戦からまだ1週間にもならないが、ウラジーミル・プーチンが歴史的敗北に向かって突き進んでいる可能性がしだいに高まっているように見える。彼はすべての戦闘で勝っても、依然としてこの戦争で負けうる。ロシア帝国を再建するというプーチンの夢は、これまで常に噓を拠り所としてきた。ウクライナは真の国家ではない、ウクライナ人は真の民族ではない、キエフやハリコフやリヴィウの住民はロシアの支配を切望している、とプーチンは言う。だが、それは真っ赤な噓で、ウクライナは1000年以上の歴史を持つ国家であり、キエフはモスクワがまだ小さな村でさえなかったときに、すでに主要都市だった。ところが、ロシアの独裁者プーチンは、この噓を何度となく口にするうちに、自らそれを信じるようになったらしい。