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「ヨードル上級大将、貴官も士官学校でならったと思うが、用兵の真髄は先制と集中にある。
このままでは第一線は兵力が足りずに侵攻するほど薄くボロボロになって敵は後方にまわりこみ
キエフ(アントワープ)に出かけても帰れなくなるだけではないか。」
ルントシュテット元帥が腹立たしげにいうと、モーデル元帥がそのあとをひきついだ。
「いいかね、上級大将。貴官の計画では反撃作戦が侵攻すればするほど南翼が手薄になり、
予備をもたぬ作戦部隊は、そこから敵の攻撃をうけたときは対応できない。
その結果は国境周辺で停止せざるを得ず、われわれはただ敵戦線に一時的に
バルジ(突出部)を形成する以外の成果はえられないだろう。」