道内暴風雪 物流に打撃 店員出勤できず休業 小売店、入荷に遅れも
道内を襲った記録的な暴風雪は経済活動にも打撃を与えた。交通機関が乱れて物流が滞り、生活必需品を扱う小売店では出勤できない店員が出て休業を余儀なくされた店舗もあった。影響は13日も続く恐れがある。
コープさっぽろは十勝管内や宗谷管内などの一部地域や離島で、宅配システム「トドック」の12日の配達を断念。担当者は「各地で道路が通行止めとなり、運べなくなった」。このため、12~14日の配達分がそれぞれ予定より1日遅れる。
コンビニ道内最大手セコマでは、全道的に商品の入荷に遅れが見られたほか、出勤できない従業員がいて休業したり早めに閉店したりした店舗が稚内や礼文島、利尻島で少なくとも6店出た。同社の佐々木威知広報部部長は「13日は営業できるだろうが、フェリーの運航状況によっては離島で商品をそろえることは難しいかもしれない」と話す。
北雄ラッキー(札幌)のシティわっかない店(稚内市)では12日朝に商品が届いたものの、その後は通行止めの影響で届いていないという。同社の広報担当者は「13日に商品が入ってくるかどうか、当日にならないと分からない」と話す。ドラッグストア大手サツドラホールディングス(札幌)も大雪で従業員が出勤できず、利尻島と稚内の少なくとも2店を休業した。
需要低迷で生乳廃棄の懸念が続く酪農業界では、集荷が滞った場合にも廃棄されるリスクがあるため、各地で緊張が高まった。上川管内美深町の北はるか農協では「2時間ほど遅れたが全戸集乳できた」。宗谷南農協(宗谷管内枝幸町)も「通常より3、4時間遅れたが乳業工場に運び込まれている」とし、最悪の事態は避けられつつあるようだ。
JR貨物は12日午前2時から13日午前0時すぎにかけて、札幌や帯広などと本州を結ぶ貨物列車の運行を見合わせ、12日午後3時時点で17往復34便の運休を見込んでいる。道内から運ぶジャガイモなどの農作物のほか、本州からの書籍や日用雑貨に影響が出た。
日本郵便北海道支社は、12日午前9時以降、石狩・胆振・宗谷・オホーツク・十勝・釧路・根室の7管内の40局で郵便物の配達を見合わせた。ヤマト運輸では、貨物列車の運休などを受けて道内全域で宅配便の配達に遅れが出た。トラック運送のトッキュウ(岩見沢)は荷主企業からの申し出もあり、岩見沢から十勝管内に向かうトラック数便の運行を急きょ取りやめた。
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/632658