正月に増えた体重を気にしつつ、自宅にこもってテレワークをしている人は多いだろう。長引くコロナ禍で定着した在宅勤務だが、生活スタイルが変わって間食が増えたという声は根強い。企業向けに食事のカウンセリングなどをする栄養士の笠井奈津子さん(42)=写真=に、体に優しく、仕事にもいい影響を与える間食の取り方を聞いた。
笠井さんによると、周囲と休憩時間を合わせる必要がない在宅勤務は、昼食を食べ損なう例が目立つ。食事量が減る分、間食が増える傾向があるという。
調査会社のネオマーケティング(東京)が二〇二〇年十~十一月、二十~六十代の千人に聞くと、在宅時間の増加に伴い、間食が増えた人は女性41・0%、男性32・0%。体重が増えたという回答もそれぞれ41・6%、33・0%に上った。
ただ、笠井さんは「間食は心の栄養。気分転換になって集中力を高める」と効果を強調する。二百キロカロリーまでが目安。食物繊維が豊富なナッツ、タンパク質と脂質がとれるヨーグルトなどがいいとされるが、満足感が得られないなら「好きなものを食べた方がいい」。
メーカーも商機を見いだす。湖池屋(東京)は昨春、食事の代わりに間食をする人などに向けてスナック菓子「ポテトと料理」を発売した。ハンバーグ味とタルタルフィッシュ味の二種類で、手の込んだ料理のような味を楽しめるのが特徴。徐々に販路を広げ、秋には全国に拡大した。
アサヒグループ食品(同)の栄養サポート食品「1本満足バー」の売り上げは十二種類合わせて二〇年は前年比144%、二一年八月までは前年比128%。特にプロテイン配合タイプが人気で、担当者は「コロナ禍前から間食としてとる人は多い。どうせ食べるなら体にいいものをと思うのでは」と話す。
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