小規模郵便局の局長でつくる任意団体「全国郵便局長会」(全特)の複数の地方組織が、郵便局の業務を利用して、全特が擁立する自民党参院議員の後援会に顧客を勧誘することなどを指示していたことが、関係者への取材で分かった。複数の局長が顧客情報を支援者リストに書き写し、局舎内で政治活動を行ったと証言した。郵便局の業務と全特の政治活動が混同されている実態が新たに浮き彫りになった。
日本郵便は昨年12月、局長らが同社の経費で購入したカレンダーを自民党参院議員の後援会員に配布した問題を受け、約1万9千人の小規模局長を対象に調査を実施。705人が局舎内での政治活動や顧客情報の流用を認めた。同社は個人情報保護法や社内規定に違反する可能性があるとして調べており、局長会の組織的な関与に踏み込んで実態解明できるかが焦点だ。
東日本地方の局長は取材に、所属する局長会地方組織の役員から、貯金の顧客情報を政治活動に利用するよう指示されたと証言した。指示に従い、ゆうちょ銀行の口座を年金の受け取りに使っている顧客らを選んで営業名目で訪問。親しくなった後、後援会に入会するよう頼み、受け入れられたことがあるという。
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