オミクロン株の市中感染がジワジワと広がっている。27日は広島と富山でそれぞれ1人、オミクロン株に感染したと発表。いずれも市中感染とみられる。大阪、京都、東京、福岡、愛知を含め計7都府県に広がった中、大阪の吉村府知事は旅行キャンペーンを始めるというのだから正気の沙汰ではない。
27日感染が確認された広島市在住の20代は、オミクロン株感染者が確認された関西の地域と往来していた。
会見した広島県の木下栄作健康福祉局長は「陽性者が確認された地域との往来は慎重に判断して欲しい」と呼び掛けたが、その「確認された地域」である大阪は府民限定の地域振興策「大阪いらっしゃいキャンペーン2021」の対象を年明けに拡大する。
「いらっしゃいキャンペーン」では府内で宿泊・日帰り旅行をすると旅行プランの料金が最大1泊5000円引かれ、同3000円のクーポンが付く。いわば“大阪版GoToトラベル”だ。ワクチンを2回接種済みか、PCR検査などで陰性の府民だけを対象に先月24日から始まり、27日時点で利用者(予約含む)は約30万人に上る。
吉村知事は府内で国内初のオミクロン株の市中感染を発表した22日、同じ会見の場で「いらっしゃいキャンペーン」の対象に来月4日から隣県の京都、兵庫、奈良、和歌山の4府県を加えると発表。SNS上では案の定、〈唖然とした〉〈オミクロン知らんのか?〉などの非難が続出した。
府に中止の有無を確認すると、「現時点で中止は決まっておらず、予定通り実施する」(企画観光課)とのこと。中止の判断については「医療提供体制などの負荷が国の定めた指標のレベル3(一般医療の相当な制限)に達した場合、そもそもキャンペーンを続けることはできない」(企画観光課)と回答。そのレベルに至る過程でどう対応するかは検討中だという。
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