ただし、ケネディ大統領暗殺事件について研究を進める学者などからは「今回公開された文書から学ぶことはほとんどない」という意見も出ています。CNNによると今回公開された文書のほとんどはこれまで公開されてきたものの複製や編集されたものであり、「何も変更されていないデータすらある」そうです。実際、今回公開された文書について、国家安全保障局は公開差し止めを求めていませんでした。
ケネディ元大統領の暗殺に関する機密文書の公開が決められたのは1992年のこと。当初は2017年10月までの全面公開が求められていたのですが、トランプ前大統領やバイデン大統領がFBIやCIAといった国家安全保障にかかわる機関の助言に基づき、複数回にわたって公開が延期されてきました。
アメリカ国立公文書館によると、今回公開された分を合わせるとケネディ元大統領の暗殺に関する公開済みの機密文書は1万7834件で全体の90%以上に相当し、残る「編集された文書」「完全に公開が停止された文書」は520件だとのことです。
なお、バイデン大統領は2022年12月15日までに「厳格なセキュリティ審査」を行った上で未公開文書を公開することを許可しています。
(おわり)