道内ガソリン3週連続値下がり 灯油は9週連続上昇 備蓄放出効果じわり
経済産業省が25日発表した22日時点のレギュラーガソリン1リットル当たりの道内平均小売価格は、15日時点の前回調査と比べて10銭安い168円と3週連続で小幅に値下がりした。米政府が日本や中国などの主要消費国に石油備蓄の放出検討を促したことが影響した。一方、ガソリンより遅れて小売価格が変動する灯油は、1リットル当たりの道内平均配達価格が89銭高い113円72銭と9週連続で上昇し、13年ぶりの高値水準が続く。
石油情報センターによると、今月中旬のバイデン米大統領による石油備蓄放出の要請を受けて原油相場は下落。さらに、欧米を中心とした新型コロナウイルス感染再拡大で、原油需要が落ち着いていることもガソリン価格に反映された。同センターは石油元売り各社が卸値を下げたことから来週も値下がりを予想する。
ただ、消費国による石油備蓄の放出量が小規模なことや、備蓄の協調放出に反発して主要産油国が追加増産を再び見送る可能性もあることから、今週に入り原油相場は上昇。石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟の産油国でつくる「OPECプラス」の閣僚級会合(12月2日開催予定)の結果次第では「原油価格がさらに高騰する恐れもあり、楽観視できない」(同センター)とする。
石油連盟の杉森務会長(ENEOSホールディングス会長)も25日の記者会見で「(石油備蓄の放出量は)極めて少量なので、価格の下落に直接つながるものではない」と、放出効果は限定的との見方を示した。
レギュラーガソリン1リットル当たりの全国平均小売価格は20銭安い168円70銭と、2週連続で値下がりした。政府は全国のガソリン価格が170円を超えた場合、灯油なども対象に1リットル当たり最大5円を元売りに補助する制度を始めるが、制度開始は12月下旬の予定で、基準にも届かなかった。
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