〈嫌いな食べ物は、煮物全般、酢の物、ゴマ豆腐、キャビア、サーモンサンドイッチ、硬いパン(ベーグル、フランスパン等)、餡かけのもの全般、フカヒレ、冷やし中華、長崎ちゃんぽん、スイカ、メロン(夕張メロンは除く)、和菓子全般、洋菓子全般〉
これは自民党の茂木敏充(もてぎとしみつ)幹事長(66)が、経済産業大臣を務めていた’14年当時に、同省の事務方の官僚が作成したメモの一節である。上写真を見てほしい。文書は「大臣出張等メモ」と題され、A4用紙22枚にもわたり、茂木氏の”取り扱いマニュアル”が詳細に書かれている。
茂木氏は東京大学経済学部卒業、ハーバード大学大学院修了、マッキンゼー・アンド・カンパニー勤務を経て、国会議員となったエリートである。その一方、永田町きっての「瞬間湯沸かし器」として、霞が関では知られているという。
「茂木氏の逆鱗に触れた役人はいくらでもいます。それでも、政治家として仕事ができるので、歴代総理のもとで要職を任される。そこで、これ以上、”被害者”を増やさないために、この『マニュアル』が作成され、引き継がれていったそうです」(経済産業省関係者)
政治ジャーナリストの角谷浩一氏もこう指摘する。
「コーヒーと紅茶のどちらが好きなのか程度の申し送りはよくありますが、22ぺージにも及ぶものは聞いたことがありません。茂木氏は『役人よりも自分のほうが頭が良い』という態度を隠さない政治家です。彼の機嫌を損ねないように、申し送り事項がどんどんアップデートされ、省内に周知させるためにメモを作成したらそんなページ数になったのでしょう」
メモの中身を読むと、まず『食事』の項目が4ページもある。冒頭で紹介した嫌いな食べ物だけでなく、好物についても詳しく書かれている。
〈ご飯ものよりも麺類やパン〉
〈ハンバーガーはオーソドックスなもの、カレーは辛口なものを好む〉
〈夜食にカップラーメンやカップ焼きそば(ペヤングソース焼きそば)を要望されることが多くなってきている〉
出張先のホテルの自室で軽食をとる際の注意点はさらに細かい。
〈大臣から明示的に要望のある軽食は、甘いパン(デニッシュ等)やヨーグルトやフルーツ(バナナ等)。(中略)甘いパンは実際に大臣がどれを選ぶのかが分からない(当日の気分次第)ため、可能な限り全ての種類を持ってきて、大臣に一つか二つ選んでもらい、別のお皿に取ってもらう形式とすること〉
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