総合電機の東芝“解体” …半導体メモリー、インフラなど事業別に3分割検討
https://response.jp/article/2021/11/09/351165.html
水揚げした新鮮なマグロの“解体ショー”ならば、見ていてもワクワクして楽しいイベントだが、経営危機で“死に体”寸前の名門企業の“解体ショー”では、切なくなって目を覆いたくもなる。
経営の立て直しが難航している東芝が、主要事業ごとに会社を3分割する案を検討しているという。きょうの日経が1面トップで「東芝、事業別に3分割、2年後メド、各社上場、総合電機に幕」との見出しで報じたほか、各紙も1面などで大きく取り上げている。
それによると、原子力や火力発電を手がけるインフラ事業、ハードディスクドライブ(HDD)を手がけるデバイス事業、それに半導体メモリー事業を完全に独立させる方針で、今週11月12日に公表する中期経営計画で方向性を示すという。
東芝グループは、原子力や火力などの発電関連、鉄道などの交通システム、半導体など、多岐にわたる事業を手がけているが、主要事業ごとに独立させることで、役割を明確化する狙いがある。分割した会社は、完全に別会社として独立した経営を想定、それぞれ3社が上場することも視野に入れており、2年後をめどに実現を目指すそうだ。
計画どおり実行に踏み切れれば、日本の大企業が会社を完全に分割し、上場する初の試みになる。だが、生き残るための苦渋の決断とはいえ、高度成長を支えてきた日本を代表する老舗の名門企業が解体され、総合電機メーカーとしての暖簾を下ろすのはいたたまれない気持にもなる。